コーチング

コーチングとは何か―ポジティブな思考を生み出すシンプルな構造

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コーチングは、人材開発におけるコミュニケーション技法です。

Wikipediaには次のように紹介されています。

コーチング(coaching)とは、人材開発の技法の一つ。対話によって相手の自己実現や目標達成を図る技術であるとされる。相手の話をよく聴き(傾聴)、感じたことを伝えて承認し、質問することで、自発的な行動を促すとするコミュニケーション技法である。

出典:コーチング | Wikipedia

語源は英語のcoach(コーチ。「馬車」という意味)とされています。馬車には、「人を目的地まで送り届ける」という目的から、coaching(コーチング)は「対象者の目標やゴールに向けて支援すること」ともいわれています。

「対話によって相手の自己実現や目標達成を図る技術」とは、具体的にどのような「対話」で、どのようになるから「自己実現や目標達成が図れる」のでしょうか。

そこで、この記事では、抽象論や感情論ではなく、技術的な側面から、シンプルに「コーチングとは何か」「どのような方法なのか」について解説します。コーチングの構造自体は難しくはありません。とてもシンプルです。

コーチングとは「ポジティブな思考を生み出す対話」

コーチングとは何か?という問いについて、しごとのみらいでは、

コーチングとは、ポジティブな思考を生み出す対話

と定義します。

コーチングは、対話を通じて新しい思考を生み出すことです。

人は、一日に何千、何万という思考――つまり、「考える」こと――を繰り返しています。思考には、「今日のお昼、何にしようかな?」のように、無意識に考え始めることもあれば、「この問題を解決するためには、どうすればいいんだろう?」のように、意識的に考えることもあります。

思考を生み出すきっかけは「問い」

コーチングにおいて、思考を生み出すきっかけは「問い」です。なぜなら、人は問いによって、思いにふけったり、考え始めたりするからです。

たとえば、この記事自体も、「コーチングとは何か?」という問いから、調べ始めることになったのではないでしょうか。

「なんでこうなっているんだろう?」のような好奇心から発せられる問いや、「どうすればうまくいくんだろう?」のような、問題解決に向けられる問いによって思考することが、コーチングの基本です。

コーチングでは「ポジティブな問い」が大切

コーチングでは、「ポジティブな問い」が大切です。なぜなら、「問い」は、思考の方向を決定づけるからです。

例えば、「なんで失敗したの?」という問いは、意識を過去の失敗や問題の方に向けます。その結果、ネガティブな気分になります。一方、「どうすれば、もっと上手くできると思う?」という問いは、意識を未来の問題解決に向けます。その結果、前向きな気持ちになります。

このように、「問い」のしかた一つで、意識や気分をネガティブにも、ポジティブにも変化させることができます。そのため、コーチングではポジティブな「問い」が大切なのです。

問いの技法

「問い」の基本は、いわゆる「5W1H」です。詳しくは、次の記事もあわせてご覧ください。

問いには「流れ」がある

また、コーチングの問いには「流れ」があります。流れを意識することで、「どの順番で」「何を問えばいいのか」が分かります。詳しくは次の記事もあわせてご覧ください。

「問い」とセットで使うのが「傾聴」

「問い」に加えて、コーチングでは「傾聴」をセットで使います。なぜなら、相手に「問い」を立てたら、その結果を傾聴し、確認する必要があるからです。

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例えば、「どうすれば、この問題を解決できると思う?」のように相手に問いを立てると、「どうすればいいんだろう?」と、相手は頭の中で考えはじめ、何かしらの答えを見いだそうとするでしょう。

そして、「○○にすれば上手くできるな」という答えを見いだし、それをコーチに伝えます。そこでコーチは、その答えに耳を傾ける必要があります。

このように、コーチングは問いを立てて傾聴する。その答えによって、また別の問いを立てて傾聴する……この繰り返しです。これが、コーチングの「対話」です。

傾聴の技法

コーチングにおける傾聴の基本は、とてもシンプルです。その方法とは、相手の話を「繰り返す」こと。繰り返すことで、相手が「言わんとしていること」を確認しながら傾聴することができます。詳しくは次の記事もあわせてご覧ください。

「問い」と「傾聴」のバランス

「問い」と「傾聴」のバランスは、8(傾聴):2(問い)ぐらいを意識するといいでしょう。なぜなら、「なぜ?」「どうして?」「それで?」のように「問い」のバランスが多いと、なんとなく尋問を受けているような感じになってしまうからです。

コーチングによって「自己実現や目標達成を図れる」理由

これまでお話ししてきたように、コーチングはポジティブな思考を生み出す対話で、その方法は、「問いを立てて傾聴する」です。

ではなぜ、コーチングによって「自己実現や目標達成が図れる」のでしょうか?

コーチングをしたからといって、必ずしも「自己実現や目標達成が図れる」わけではありません。

一方、「自己実現や目標達成を図る」ためには、「何を実現したいのか?」を明確にし、そのためには「何が必要」で、「どうすればそれが実現できるのか?」を、その時々の状況に照らし合わせて考え、行動していく必要があります。

これはつまり、「ポジティブな問いを立てて思考する」ことです。

また、思考によって感情が生まれ、感情によって行動が生まれます。行動の結果生まれるのが環境――つまり、自己実現や目標達成した状況――です。

このように、コーチングには、「自己実現や目標達成を図る」ために必要な要素が含まれています。これが、コーチングが「対話によって相手の自己実現や目標達成を図る技術」と言われるゆえんです。

対象によって異なる二つのコーチング

コーチングには、大きく分けると二つの種類があります。

部下や子供など、相手に対して問いを立てるのが、一般的なコーチングです。一方、自分自身に対して問いを立てることを、セルフコーチングと言います。

セルフコーチングでは、普段何気なく立てる「問いのパターン(クセ)」があります。そのため、似たよな答えになりがちです。そこで、コーチングを効果的にするには、「その視点は今まで考えたことがなかったな」のような、第三者からの「自分にはない問い」と立ててもらうと効果的です。新たな気づきが生まれやすくなります。「気づき」とは?―脳がひらめくコミュニケーションスキルもあわせてご覧ください。

なお、セルフコーチングで思考を深める方法は、簡単しかも効果的―深い部分とつながるセルフコーチングもあわせてご覧ください。

コーチングの効果

このように、「ポジティブな問いを立て、思考を生み出す対話」という原理原則から考えると、コーチングには次のような効果が期待できます。

「ポジティブな問いを立て、思考を生み出す対話」を行うことによって……

  • ポジティブな問いは、思考をポジティブにする
  • ポジティブな思考は「やってみよう」という前向きな気持ちを生む
  • ポジティブな気持ちは行動につながる
  • 行動によって、目標に近づく
  • 第三者からの意外な問いは、新しい思考や気づきを育む
  • 自分で考える力が育つ

このように、コーチングは人がよりよく生きていくために、あらゆる分野で生かせる根源的なツールであることが分かります。それはまるで、コンピューターのOSみたいなもの……といってもいいかもしれません。

相手が子どもなら教育に、ビジネスパーソンなら日々の仕事やチームビルディングに、その他にも、あらゆる分野で生かすことができます。

まとめ

「コーチングとは何か」「どのような方法なのか」についてまとめました。

コーチングをしたからといって、必ずしも「自己実現や目標達成が図れる」わけではありません。

けれども、よりよく生きるためには、「何を実現したいのか?」を明確にし、そのためには「何が必要」で、「どうすればそれが実現できるのか?」を、その時々の状況に照らし合わせて、常々考えていくことが大切です。

そういう意味でコーチングは、「自己実現や目標達成をサポートするツール」と言えるでしょう。

コーチングカテゴリの記事もあわせてご覧ください。

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