はじめてでもわかるNLPの効果とスキルとの関係

NLPを学ぼうと思っている方にとって、もっとも気になるのは、その効果だと思います。

大切な時間とお金を使って学ばれるわけです。「どんな効果があるのか」は気になるところですよね。

私自身、2006年にNLPを学びましたが、「本当に効果があるのか」が気になりましたし、いろんな団体があったので、どこで学べばいいのかも悩みました。そこで、はじめてNLPに触れる方にも分かりやすい部分を中心に、効果とスキル体系をご紹介したいと思います。

NLPを学ぶと得られる効果

対人関係をスムーズにする

NLPを学ぶと、まわりの人と自然にペースを合わせるコミュニケーションのポイントが分かります。短時間で、信頼関係が築け、対人関係がスムーズになる効果があります。

NLPでは、信頼関係を築くスキルを「ラポール」、相手に無理なく自然にペースを合わせるスキルを「ペーシング」、こちらが言いたいことを、相手に抵抗感を抱かせずに伝えるスキルを「リーディング」と呼んでいます。

相手が置かれている状況を把握できる

NLPを学ぶと、表情や声のトーン、ジェスチャーから、相手の状況を観察し、読み取るコミュニケーション能力が身につきます。相手が言葉にしていない(または、できていない)本音が分かるようになり、相手が置かれている状況を把握できるようになります。また、観察することで、「次に何をしたらいいのか」が分かり、コミュニケーションの戦略を立てやすくなります。

NLPでは、観察力のスキルを「キャリブレーション」、目の動きから、相手が考えていることを読み取るスキルを「視線解析」と呼んでいます。

相手自身が問題を解決するように支援できる

NLPを学ぶと、相手が抱えているさまざまな問題の解決策を、自ら考えるように促す質問力が身につきます、「どうすれば、この問題を解決できると思う?」のように問いかけることで、相手自身が解決策を考え、行動や成長を促す効果があります。

NLPでは、物事を具体的にする質問のスキルを「メタモデル」、物事を具体的にしたり、他にいいアイデアがないか選択肢を増やしたり、相手のとって大切なことに気付かせる質問のスキルを「チャンキング」と読んでいます。

物事の捉え方を前向きに導ける

NLPを学ぶと、ネガティブな状況に置かれているときに、意識を前向きに切り替えるコミュニケーション能力が身につきます。どんなピンチも、捉え方次第でチャンスになります。相手の捉え方を前向きに導くことで、自らの力で問題を乗り越えられるように支援する効果があります。

また、物事の捉え方は相手だけではなく、自分の意識を前向きに変えていくことにも役立ちます。まわりの人を動機付ける思考習慣は、自然と、自分の思考習慣も前向きに変化させ、思考が前向きになります。

NLPでは、物事の捉え方を前向きに切り替えるスキルを「リフレーミング」と読んでいます。

外部から多くの情報を収集し、感情をコントロールできる

NLPを学ぶと、五感を意識して使う能力が身につきます。五感を意識することによって、外部からより多くの情報を収集することができる効果があります。また、感情は身体感覚の一部です。五感のコントロール方法を習得することで、感情をうまくコントロールできるようになります。

NLPでは、五感による情報処理機能のことを「表象システム」や「サブモダリティ」、「うれしい」「楽しい」「ワクワクする」といった、ポジティブな感情を使って、モチベーションを維持する方法を「アンカリング」と言います。

  • 表象システム
  • サブモダリティ
  • 膳感覚システムでのアンカリング導出、インストール、活用

相手に抵抗感を抱かせずによりよい方向に導ける

NLPを学ぶと、相手にペースを合わせながら、自然な形でよりよい方向に導くコミュニケーション能力が身につきます。相手に抵抗感を抱かせずによりよい方向に導ける効果があります。

NLPでは、ミルトン・エリクソンという心理療法家が使った、相手とペースを合わせながらリードする言葉の使い方を「ミルトンモデル」、伝えたいことを間接的に伝えることで抵抗感を抱かせずに伝える方法を「メタファー」と言います。

  • ミルトンモデル
  • メタファーの創造と活用
  • 催眠誘導
  • 二重誘導

未来を描き、動機付けを起こし、行動につなげられる

NLPを学ぶと望ましいゴールをリアルに、明確にイメージするコミュニケーション能力が身につきます。イメージすることで「ゴールを達成したい」という動機付けが自然と起こり、その結果、行動につながりやすくする効果があります。

NLPでは、ゴールを明確にするパターンを「よくまとめられたゴール」、未来を具体的に想像し、そのときに味わうであろううれしさやたのしさ、ワクワク感を味わう方法を「タイムライン」と言います。

  • よくまとめられたゴール(Well formed)・方向・現在の状態の導出
  • タイムライン

過去のネガティブ体験を成長へとつなげられる

NLPを学ぶと、過去の「そうせざるを得なかった自分」を客観的に観察できるようガイドできるコミュニケーション能力が身につきます。ネガティブ体験からさまざまな気づきや学びを得て、成長へとつなげていく効果があります。

NLPでは、過去のネガティブ体験を客観的に観察し、成長を促す手法を「タイムラインセラピー」と言います。

  • タイムライン

問題行動を分析し望ましい行動が取れるよう戦略を立てられる

NLPを学ぶと、問題行動を細かく分解し、ネックとなるパターンを見出し、望ましい行動に修正する能力が身につきます。何気なく行っている行動がわかり、どのように修正したら、望ましい行動になるか、そのとき、どんな感覚を味わうかを繰り返しリハーサルすることで、問題行動を改善できる効果があります。

NLPでは、新しい行動パターンを組み立てる方法を「ストラテジー」と言います。

  • ストラテジーの導出、誘導、活用、インストール、TOTEモデル

その他の効果

ここでは、初めてでも分かりやすいスキルについてご紹介しましたが、そのほかには、恐怖症を改善する「恐怖症の治療」、過去の好ましくない記憶を望ましい記憶に修正する「スウィッシュパターン」、葛藤を解決する「ヴィジュアル・スカッシュ」などの効果があります。

NLPを学んでも得られるか分からない効果

次に挙げるものは、NLPを学ぶことによって、得られるか否かは分からないものの一覧です。これらは、価値観に基づくため、人それぞれです。NLPを学んだからと言って手に入る保証はありません。

  • 成功(ビジネス、金銭的etc……)
  • 豊かさ(生活、友人関係etc……)
  • 幸せ(恋愛、結婚、家庭生活etc……)
  • 愛情(他人から好かれるetc……)

これらを手に入れるためには、まず、「成功とは何か」「豊かさとは何か」「幸せとは何か」「愛とは何か」を、一人ひとりの中で明確にすることと、「それが手に入ったら、どうなれるのか」を考えてみるといいでしょう。

NLPは、これらを現実にするためのツールの一つとして役立てることができます。

NLPを活かすことで、毎日を楽しく過ごせるようになる

分かりやすい部分を中心に、NLPの効果についてまとめてみました。

NLPを学ぶと、「○○すべき」「○○ねばならない」など、さまざまな思い込みや枠組みを取り払って、物事を捉える際の広い視点や、柔軟で自由な考え方を身につけることができます。

学んだことを活かすことで、さまざまな問題を柔軟に乗り越え、成長の種として活かしながら、毎日を楽しく過ごすことができるようになるでしょう。

投稿者プロフィール

竹内義晴
竹内義晴NPO法人しごとのみらい理事長
1971年生まれ。新潟県妙高市出身。自動車会社勤務、プログラマーを経て、現在はNPO法人しごとのみらいを運営しながら、東京のIT企業サイボウズ株式会社でも働く複業家。「複業」「多拠点労働」「テレワーク」を実践している。専門は「コミュニケーション」と「チームワーク」。ITと人の心理に詳しいという異色の経歴を持つ。しごとのみらいでは「もっと『楽しく!』しごとをしよう」をテーマに、職場の人間関係やストレスを改善し、企業の生産性と労働者の幸福感を高めるための企業研修や講演、個人相談を行っている。サイボウズではチームワークあふれる会社を創るためのメソッド開発を行うほか、企業広報やブランディングに携わっている。趣味は仕事とドライブ。

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