観察

1:9の割合?メラビアンの法則の真意と非言語的コミュニケーション

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20141029

言語と非言語がコミュニケーションに与える影響を示したものとして、「メラビアンの法則」があります。

メラビアンの法則は、非言語的コミュニケーションの重要性を説いたもので、コミュニケーションにおいて、人に影響を与える情報の割合は……

  • 言語情報(話の内容など):7%
  • 聴覚情報(声のトーンや話の早さなど):38%
  • 視覚情報(見た目など):55%

つまり、言語情報が1、非言語情報が9の割合であるという一説です。ご存知の方も多いのではないでしょうか。

メラビアンの法則には、「見た目が一番大切」「第一印象で決まる」「話の内容よりも喋り方のテクニックのほうが重要」のような俗説(誤った解釈)もあります。そのため、「メラビアンはそんなことを言っていない」「メラビアンの法則はウソだ」という情報もあり、メラビアンの法則の信憑性を問う声も多いようです。

一方、コミュニケーションでは非言語情報がとても大切なことには間違いはありません。ホントかウソかで大切な部分が反故(ほご)にされてしまうのは、少しもったいないと筆者は感じています。

そこで、メラビアンの法則の本当の意味や、非言語的コミュニケーションの活かし方、論文の情報などから、伝わるコミュニケーションについて考えます。

「メラビアンの法則」の真意

メラビアンの法則は、こちらが詳しいので引用します。

この研究は好意・反感などの態度や感情のコミュニケーションについてを扱う実験である。感情や態度について矛盾したメッセージが発せられたときの人の受けとめ方について、人の行動が他人にどのように影響を及ぼすかというと、話の内容などの言語情報が7%、口調や話の早さなどの聴覚情報が38%、見た目などの視覚情報が55%の割合であった。この割合から「7-38-55のルール」とも言われる。「言語情報=Verbal」「聴覚情報=Vocal」「視覚情報=Visual」の頭文字を取って「3Vの法則」ともいわれている。

出典:メラビアンの法則 | Wikipedia

俗説については、次のようになっています。

この内容が次第に一人歩きをし、この法則から「見た目が一番重要」あるいは「話の内容よりも喋り方のテクニックが重要」という結論が導き出されると言う解釈が有名になっている。就職活動の面接対策セミナー、営業セミナー、自己啓発書、話し方教室などでこの解釈がよく用いられる。

ただしこの実験は「好意・反感などの態度や感情のコミュニケーション」において「メッセージの送り手がどちらとも取れるメッセージを送った」場合、「メッセージの受け手が声の調子や身体言語といったものを重視する」という事を言っているに過ぎない。

よって単に事実のみを伝えたり要望をしたりするコミュニケーションの場合には触れておらず、コミュニケーション全般においてこの法則が適用されると言うような解釈はメラビアン本人が提唱したものとは異なるもの(通俗心理学)である。

出典:メラビアンの法則 | Wikipedia

メラビアンの法則の例

分かりやすくするために例を出します。

たとえば、「楽しい」のような好意や感情を伝える際……

  • 言語情報(話の内容など):「今日はすごく楽しい」
  • 聴覚情報(声のトーンや話の早さなど):沈んだ感じ
  • 視覚情報(見た目など):うつむき加減で、つまらなさそうな振る舞い

にすると、言語情報(話の内容)よりも、聴覚情報や視覚情報のほうが影響を与えやすいということです。

メラビアンの法則をコミュニケーションに活かす

メラビアンの法則の真意から考えると、非言語的コミュニケーションのポイントは次の2つと言えるでしょう。

話の内容と声のトーン、表情やジェスチャーを一致させる

メラビアンの法則は、感情や態度について矛盾したメッセージが発せられたときの、人の受けとめ方についての一説です。

言い方を変えれば、「メッセージ(言語情報)と、感情や態度(非言語情報)を一致させることが大切」だと言えるでしょう。

話の内容も大切にする

「メッセージと、感情や態度を一致させることが大切」ということは、メッセージそのものも大切ということです。

話の内容も大切にしましょう。

言語と非言語の一致は、態度や感情を伝えるとき以外も大切

メラビアンの法則では、『「好意・反感などの態度や感情のコミュニケーション」において「メッセージの送り手がどちらとも取れるメッセージを送った」場合』としています。

一方、メラビアンの法則からは少し離れますが、この条件に限らず、日常のコミュニケーションでは、言語と非言語の情報を一致させることはとても大切です。

たとえば、友人と話しているときに、言葉では「うん」と返事をしていても、スマートフォンを操作しているとなんとなく「話を聞いてくれていないな」と感じます。上司に仕事の報告をするときもそうです。言葉では、「そう、分かった」と返事をしていても、視線がパソコンのモニタを向いたままだと、「本当に分かったのかな」と感じます。

これらは、言語と非言語を一致させることで回避することができます。

言語と非言語の学術的な情報とメラビアンの法則について

言語と非言語がコミュニケーションに与える影響について、いくつかの論文を探してみました。メラビアンの法則「言語情報が7%」のような、割合を示す情報を見つけることはできませんでした。

しかし、いくつかの論文でメラビアンが触れられていました。参考までにご紹介します。なお、「言語的コミュニケーションよりも非言語的コミュニケーションのほうが大事だ」のような、これまでの誤解を防ぐため、前後の文脈とともに、やや長めの引用となる旨、ご了承ください。

しかし、相手が自分の伝達内容をきちんと理解しているかの判断は、言語コミュニケーションのみに頼っているのではない。我々は、コミュニケーションにおける相手の表情や姿勢、視線の方向からも、理解度に関するさまざまな手がかりを受け取っている。たとえば、ロでは「面白いね」と言いながらも相手の視線があらぬ方向を向いていたりすると、私たちは相手が本当は興味がないのではないかと不安になる。このように、我々は言語化しなくとも、いろいろな情報を意識的もしくは無意識的に受信・発信しているのである。これを、非言語コミュニケーション(nonverbalcommunication)と呼ぶ。近年では、多くの研究によって非言語コミュニケーションの重要性が明らかになった。以下に、非言語コミュニケーションの重要性を具体的な例を用いて検証する。
1.2 非言語コミュニケーションとは
先に述べたように、非言語コミュニケーションとは言語的情報以外を使って行われるコミュニケーションのことであり、表情・視線・姿勢・しぐさなど様々な種類がある Mehrabian(1968)は、メッセージ全体の印象を100%とした場合に言語内容の占める割合は7%、音声と音質の占める割合は38%、表情としぐさの占める割合は55%という法則を導き出した。これより、我々が対面対話によって伝え合うものは、言語コミュニケーションよりも非言語コミュニケーションによる方が大きいと考えることができる。

出典:コミュニケーションにおける表情および身体動作の役割(高木幸子)

 

コミュニケーション行動を,言語を媒体とした言語的コミュニケーションと表情や身ぶり,声の調子など言語以外の媒体による非言語的コミュニケーションとに分類する考え方があるが,日常生活はその90%以上が非言語的コミュニケーションによって成り立っている という(cf.,Mehrabian & Ferris,1967).中でも表情が占める割合は最も高い.研究者によってその数値は異なるが,われわれの日常的コミュニケーションにおいて最も重要な役割を果たしているのは表情だと言って間違いはないだろう.

出典:表情とコミュニケーション(中村真)

 

心理学では、コミュニケーションの要素を「言語的手がかり」と「非言語的手がかり」に分けるのが一般的であり、「言語的手がかり」とは発言の内容を指し、「非言語的手がかり」とは、発言内容以外、すなわち、相手の表情、声の調子、身振り手振り、服装や容姿、周辺環境などを示す。古くより心理学では、非言語的手がかりはコミュニケーションにおいて非常に重要であるという研究が多く行われてきたため、(Mehrabian, 1981;Patterson, 1983)、また、それらの研究は一般社会においても良く知られたものであるため、「非言語的てがかり」に乏しいインターネット・コミュニケーションはあまりよくない、という見方をしてしまうことにつながっている。

出典:インターネット・コミュニケーションと対面コミュニケーションのおける情報の伝わり方の差異についての意見書(杉谷陽子)

まとめ

メラビアンの法則と非言語的コミュニケーションについてまとめました。

冒頭でも触れたように、非言語情報がコミュニケーションに与える影響は非常に大きいです。メラビアンの法則を、ホントかウソかで話を終えてしまうのはもったいないことだと筆者は考えます。

大切なのは、「非言語的コミュニケーションは大切である」という事実と、それを日常に活かしていくこと。

まわりの人とコミュニケーションを行う際は、話す内容と態度を一致させて、よりよい関係を築いていきたいものですね。

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