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「真の目的」が分かればコミュニケーション力はもっと身に付く

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コミュニケーションは、「自分と相手との間で、思ったり、感じたりしていることを、言葉や非言語の手段を使って、伝えたり、受け取ったりしながら、意思疎通を図る」ためのツールです(詳しくは、コミュニケーションとは?も併せてお読みください)。コミュニケーション力があると相手の話を親身になって聞いたり、伝えたいことを分かりやすく伝えたりすることができるので、多くの人がコミュニケーション能力を高めたいと思っています。

一方、コミュニケーションの研修や講座に携わっていると、「コミュニケーションをよくすることで、どうしたいのだろう?どうなりたいのだろう?」と感じることが多くあります。「その先の目的」が明確ではないため、せっかく身に着けたスキルを生かしきれないのです。

そこで、コミュニケーション能力を高める目的について、一緒に考えてみましょう。

コミュニケーション能力を高める目的

コミュニケーション能力を高める目的は、人によってさまざまでしょう。実際、どのようにも使えます。そのため、ここではその目的を定義づけることは控えます。一人ひとりが、「何のためにコミュニケーション能力を高めたいのだろう?」「コミュニケーション能力が高まったらどうなれるのだろう?」と考えることが大切なのではないかと思います。

とはいえ、コミュニケーション能力を高めることによって、次のようになれるでしょう。

  • 相手と信頼関係を築きやすくなる
  • 観察力が高まることによって、相手の置かれている状況が分かるようになる
  • 傾聴力が高まることによって、相手が言わんとしていることに耳を傾けられる
  • 質問力が高まることによって、相手が言葉にできていないこと引き出すことができる
  • 伝える力が高まることによって、意見を分かりやすく伝えることができる

つまり、自分や相手が思ったり、感じたりしていることを、言葉や非言語を使って、伝えたり、受け取ったりすることによって、より良い人間関係を築くことができます。

では、より良い人間関係ができると、どうなれるのでしょうか?どうしたいのでしょうか?ここまで深く考えることは、あまり考えたことはないのではないでしょうか。

「より良い人間関係ができる」とどうなるのか?

ここで、一つの例をご紹介しましょう。これは、ある企業にコミュニケーションに関する講演にうかがった時のお話です。

その企業では、部署間のコミュニケーションをよりよくしようと、各部の代表が定期的に集まり、ミーティングを開いているそうです。ミーティングは和やかに進み、各部の代表間ではいい関係を築けたため、それを各部に広めていきたいと言います。「各部のコミュニケーションをよくするためにはどうしたらいいのでしょうか?」と、筆者は質問を受けました。

筆者はこう答えました。「なるほど、部署間のコミュニケーションをよりよくしたいのですね。すばらしい試みですね。ところで、部署間のコミュニケーションがよくなると、どうなるのでしょうか?どうしたいのでしょうか?」。すると、質問者は「風通しが悪いのでよくしたい」といいます。

筆者は続けて、こう質問しました。「なるほど、風通しをよくしたいのですね。では、風通しがよくなるど、どうなるのでしょうか?どうしたいのでしょうか?」すると、質問者は困ってしまい、それ以上の答えが返ってくることはありませんでした。

つまり、「コミュニケーションをよくする」ことが目的になっていて、「それによってどうなるのか?どうしたいのが?」がはっきりしていなかったのです。

「部署間の風通しをよくする」ことももちろん大切ですが、「部署間の風通しをよくすることによって、成し遂げたい何か」があるはずです。それは、「仕事が和やかに、スムーズに進むようになる」ことかもしれませんし、「仕事の成果を最大化する」ことかもしれません。ひょっとしたら、「顧客から喜ばれる」ことかもしれません。

「コミュニケーションをよくする」だけだど、目的がはっきりしていないため、「どうせやっても無駄だよね」になってしまいがちですが、目的や意味がはっきりすれば、「なぜ、それをするのか?」が分かるため、動機づけにもつながるはずです。また、どんなスキルを身に着ければよいのかもはっきりするでしょう。

「真の目的」を引き出す方法

どんなにパソコンを使う能力に優れていても、それを使う目的(何のために?)がなければ優れた能力を生かしきれないように、コミュニケーション能力を身に着けても、目的がはっきりしていなければ生かし切ることができません。なぜなら、コミュニケーション能力はツールであり、何らかの目的を果たすための手段だからです。

そこで、コミュニケーション能力を身に着ける「さらに上にある目的」を明確にしてみましょう。

その方法はとても簡単です。「それによって、どうなるのか?」「それによって、どうしたいのか?」を繰り返し考えてみるといいでしょう。

例えば……

  • 「コミュニケーション能力が良くなる」 → 「それによって、どうなるのか?」
  • 「職員間の人間関係が良くなる」 → 「それによって、どうなるのか?」
  • 「仕事が和やかに、スムーズに進むようになる」 → 「それによって、どうなるのか?」
  • 「仕事の成果が最大化できる」 → 「それによって、どうなるのか?」
  • 「それを使った顧客が喜ぶ」 → 「それによって、どうなるのか?」
  • 「顧客から評価される。感謝の声が届く」 → 「それによって、どうなるのか?」
  • 「社員がハッピーになる」

のような具合です。これはあくまでも例で、人によって異なります。「それによって、どうなるのか?」という問いで、コミュニケーションが良くなることによって得られる「真の目的」を見つけてみてください。

なお、この「真の目的」を見つける思考法を抽象的思考能力と言います。

まとめ

コミュニケーション能力を高める目的についてお話しました。

仕事や生活において、コミュニケーションはとても大切です。一方、コミュニケーションは思ったり、感じたりしていることを伝えある「手段」であり、「ツール」でしかないこともまた、事実です。

「コミュニケーションをよりよくする」「コミュニケーション能力を身に着ける」ことも大切ですが、「何のためにコミュニケーションをよりよくするのか。その意味は何なのか?」「コミュニケーション能力を身に着けることによって、どうなれるのか?」を考えることも大切なことではないかと思います。特に職場や組織全体で取り組む場合は、その目的や意味を明確にし、共有しましょう。

「真の目的」が分かれば、コミュニケーション力はもっと身に付き、有効に生かすことができるでしょう。

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